コラム
日本の無人店舗はどれほど普及しているのか。無人店舗ビジネスのメリットや事例

近年、テクノロジーを駆使した店舗の無人化DXが世界中で急速に発展中です。日本国内でも新型コロナウィルス感染症拡大を機に、非接触・非対面でサービスを提供できる無人店舗が注目されています。無人店舗のビジネス形態は1つの業種にとどまらず、小売、スペース運営、金融、飲食、レンタル事業とさまざまな分野で展開が可能です。本記事では、無人店舗ビジネスのメリットや事例を解説し、国内企業における無人店舗の最新事例についても紹介します。

始まりはアマゾンによる無人店舗「Amazon Go」

2016年に米国Amazonがシアトルに無人店舗「Amazon Go」を開設し、その後無人店舗は世界中で急速に増加しました。キャッシュレス決済の先行する中国でも、5G整備に伴い最新型の無人コンビニが注目を集めています。このような海外での動きをきっかけに、日本でも無人店舗が普及しています。具体的にどのような動きがあるのかを見ていきましょう。

日本ではコロナ禍により店舗の無人型ビジネスが普及

店舗の無人化は、省人化、省力化の観点のみならず、2020年以降は感染症対策としても注目されています。非対面でサービスを提供することのできる店舗ニーズは日本でも急激に増加。これにより、近年無人店舗の開設が促進されています。

無人型ビジネスを実現するためのサービスも進化

超高速の5G通信の普及により、無人店舗のサービスはますます進化すると言われています。運営側はカメラやセンサーから得られる情報を一元的に管理し、複数の無人店舗を一箇所から管理することが可能になるでしょう。また、利用者は高精度のマーケティングからニーズにあったサービスを、非接触で受けられるようになります。無人店舗を実現しやすい環境整備が進んだことも、日本での動きが活発化した一つの要因と言えるでしょう。

無人店舗運営のメリット5つ

ここからは無人店舗運営のメリットを5つ紹介します。

メリット(1)無人化・省人化を実現することで人件費削減や労働力不足解消につながる

日本国内で少子高齢化が進む中、労働人口の減少は避けられない課題の一つです。その解決策の一つとして挙げられるのが、店舗の労働力不足をテクノロジーで補い無人化すること。完全に無人化とはいかなくとも、これまでより省人化し店舗運営を図ることで労働力不足解消の効果が期待できます。また、人手が減ることは、人件費の削減にも効果があり、コストパフォーマンスのよい無人店舗を運営できれば、さらに大きなメリットも得られるでしょう。

メリット(2)来店客の行動データを活用し、業務改善につなげられる

無人店舗では来店客の行動データをシステムで取得することができます。来店客のリアルタイムの行動をデジタル化することで、マーケティングに活用することが可能です。行動データの可視化は、提供するサービスの内容や効率化、機会損失の予防、顧客分析のコスト削減など、様々な角度から業務改善に役立つデータを収集できるメリットがあります。

 メリット(3)スタッフがコア業務に集中できる

無人店舗運営により、スタッフは運営に携わる時間を大幅に削減できます。それにより生み出された時間を、新しいサービスの開発や、サービスの質を高める業務に割り当てることで、さらなる顧客満足に向けた活動に集中することができるでしょう。デジタル技術をうまく活用し、人間でなければできない作業に注力していくことで、より良いサービスを創出できます。

メリット(4)利用者層が増え、売上アップも期待できる

店舗を無人化ですることで、有人店舗に比べ営業時間を延長し売上アップが期待できます。これまでの定休日や営業時間外でも店舗をオープンできるため、有人店舗運営時とは異なる顧客層に接触する機会も増えるでしょう。利用者層の拡大はビジネスにおいて大きなチャンスとなります。

メリット(5)犯罪防止の効果もある

無人店舗では、基本的に利用前に会員登録が必要です。これにより不特定多数の人が利用しづらい仕組みとなっているため、犯罪にあうリスクを低減することができるでしょう。またキャッシュレス決済が基本で、店舗レジの現金を狙った犯罪も防止でき安全性が高くなります。

【事例】さまざまな業種で広がる店舗の無人化ビジネス

さまざまなメリットのある無人化ビジネスですが、ここからは実際に国内で運営されている無人化ビジネスの事例を紹介します。

24時間利用可能なシェアオフィス「YCS Remote」

東京・代々木でシェアオフィス「YCS Remote」、コワーキングスペース「Y-valley Coworking space」を運営する有限会社Y2companyでは、同じ建物内にある2つのスペースのうち、シェアオフィス部分のみを2021年8月から無人運営化しました。シェアオフィスの入り口部分に入退室管理から請求まで無人で一括管理できるスマートロックシステム「むじんLOCK」を導入し、24時間365日運営へと切り替え。これにより、空きブースの有効活用、利用者のニーズに応えた夜間のサービス提供、電話対応やオンライン会議への参加を可能にするなど、より充実したサービスを提供できるようになっています。

 非対面で各種手続きが可能。三菱UFJ銀行の「機能特化型店舗『MUFG NEXT』」

株式会社三菱UFJ銀行は、2019年1月に機能特化型店舗「MUFG NEXT」の1号店をオープンしました。「MUFG NEXT」では、テレビ窓口や税公金・振込自動受付機を設置し、銀行の各種手続きを非対面で完了することが可能です。また、利用者の行動様式の変化や社会全体のキャッシュレス化の進展を踏まえ、対面・非対面を問わず、あらゆる利用者に対し利便性と先進的なサービスの提供を目指しています。

新体験ができる無人カフェ「DevelopersIO CAFE」

クラスメソッド株式会社が運営する「DevelopersIO CAFE(デベロッパーズ・アイオー・カフェ)」は、「完全キャッシュレス、レジレス、ウォークスルー、新世代のカフェで新しい体験を」をコンセプトに掲げる無人運営カフェです。店舗では現金を扱わず、利用者はウェブサイト上で注文や支払いの完了が可能。列に並ぶ手間を不要とするサービスを提供することで、満足度の向上も期待できそうです。

24時荷物が受け取れるセルフ型無人店舗「クロネコスタンド」

ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社は、2019年東京・江東区に宅配業界初のセルフ型無人店舗「クロネコスタンド」を開設しました。24時間365日サービスを提供し、利用者はいつでも好きな時に荷物の受け取りや発送が可能です。ヤマト運輸では、これまでオープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」の拡大を行い、2019年5月時点の設置台数は、全国で4,000台以上を設置。今回、PUDOステーションでは収まらない大きなサイズの荷物の受け取りも非対面で利用したいという要望から、セルフ無人店舗をスタートしています。

無人決済システムを活用した実用化店舗「ファミマ!!サピアタワー/S店」

株式会社ファミリーマートは、2021年3月無人決済システムを活用した実用化店舗として「ファミマ!!サピアタワー/S店」を開店しました。無人決済システムを導入することで、省人化による店舗オペレーションコストの低減化を実現。店内に設置されたカメラなどの情報から、利用者が手に取った商品をリアルタイムに認識し、無人決済システムでレジにかかる時間を短縮、時間を節約し買い物をしたい顧客ニーズに応えています。

AI無人店舗「DIME LOUNGE STORE」

小学館「DIME」編集部、丸善ジュンク堂書店、株式会社セキュアは3社共同で、2021年4月に未来型AI無人店舗「DIME LOUNGE STORE」を東京・新宿にオープンしました。「未来の買い物体験ができる無人型AI店舗」をコンセプトに掲げ、コロナ禍に対応しマスクを付けたままでも可能なAI顔認証システムや入退室管理システム、監視カメラシステム、画像解析ソリューションなど最新AIを駆使した店舗を運営しています。

無人レンタルドレスショップ「Empty Dressy」

Empty Dressyは、東京・渋谷にある無人運営のレンタルドレスショップです。従来のレンタルドレスショップで大きなコストとなっていた人件費をゼロにしたことで、低価格のドレスレンタル事業を展開しています。スタッフの接客がないことをあえて特徴にし、利用者が気兼ねなくとっておきのを1枚を選べるサービスを提供。無人運営により24時間365日営業し、利用者の急なニーズにも対応しています。

無人店舗を実現するためのソリューション「むじんLOCK」とは

日本でも様々な業種で展開される無人店舗ビジネス。店舗の無人化を進めるには、そのためのツールを導入するのがおすすめです。株式会社コミュニティコムが提供する「むじんLOCK」は、店舗の入退室管理から請求まで無人で一括管理を行い、スペースの管理・収益化を手軽に実現できるサービスです。例えば、「コワーキングスペース」や「シェアオフィス」など、空きスペースを活用したビジネスで活用されています。

使用するスマートロックは、今あるドアに後付けで設置可能なため、既存の有人店舗を無人化したい場合にも最適なツールです。スマートフォン一台で、施設の予約から利用、支払いまでを完結することも可能なため利用者にとっても使い勝手のよいサービスです。

新しいビジネスとして注目の無人店舗運営を実現しよう

Amazonが先駆け開発し、世界中に普及が進んでいる無人店舗。日本国内でもコロナ禍を機に、さまざまな業種で広がりをみせています。無人店舗には、将来迫りくる超高齢化社会の労働人口不足への対応や、来店行動のデジタル化などで業務改善に役立つメリットが多々あります。コロナ禍の影響から、最新テクノロジーによる非接触でのサービス享受は利用者にも求められています。本記事を参考に新しいビジネスとして注目される無人店舗運営を実現してみてはいかがでしょうか。