コラム
入退室管理システムとは。導入のメリットやシステムの選び方を解説

近年、オフィスや施設運営などで利用者の入室・退室を管理する入退室管理システムの導入が進んでいます。入退室管理システムの種類も数多くあり、導入する際は製品の特徴や導入目的に応じて選ぶことが重要です。本記事では、システム導入のメリットに加え、選び方のポイントを解説します。

入退室管理システムとは

「入退室管理システム」とは、いつ、誰が、どこに入退室したのかを管理・記録するセキュリティシステムの総称で、アクセスコントロールシステムと呼ばれることもあります。入退室管理システムを管理したい部屋のドア等に設置して、その部屋に出入り可能な人を制限することが可能です。また、スマートロックと連動することで各ドアの解錠・施錠状況や、入退室ログの管理を行うこともできます。

入退室管理システムを活用できる場所

入退室管理システムの活用方法は、大きく分けて特定の人が利用する場所と、不特定多数人が利用する場所とで異なります。

一般的なオフィス

そこで働く従業員など、特定の人が出入りするオフィスでも、入退室管理システムが活用されています。この場合、従業員の立場や仕事内容などに合わせて入室できる部屋を制限するなど、情報漏えいの防止の観点で活用されることが多いでしょう。その他、別のシステムと連動させ、入退室履歴から勤怠管理を行う場合もあります。

コワーキングスペースやシェアオフィス

不特定多数の人が利用するコワーキングスペースやシェアオフィスでも、入退室管理システムを活用している施設があります。受付スタッフを配置せず無人で運営したい場合などに、入退室管理システムを導入することが多いでしょう。無人運営を目的とした場合、コワーキングスペースなど以外にも、無人のスポーツジムなどでも導入されています。

スポーツジムの無人運営についてはこちらも参考にしてください。
スポーツジムを無人化する方法。準備したいツールやシステムの選び方

入退室管理システムを導入するメリット

入退室管理システムの利用目的は場所によって異なりますが、一般的には以下のようなメリットがあります。

機密情報を安全に管理できる

一般的なオフィスでは、クライアント情報や営業に関する資料など、社内に多くの機密情報を抱えています。情報漏えいは企業にとって大きなリスクとなるため、未然に防ぐことが重要です。2021年9月には、個人情報保護委員会による「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」が施行され、「物理的安全管理措置」 として入退室管理が推奨されました。入退室管理システムを導入してオフィス内に入室できる人を制限することで、部外者の侵入と内部不正を防ぐことができ、情報漏えいのリスクを低減することも可能です。

(参考:個人情報保護委員会「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)(本文及び(別添)特定個人情報に関する安全管理措置)」)

利用者や関係者の入退室状況を把握できる

入退室管理システムにより、オフィスの従業員やコワーキングスペース利用者の入退室記録を把握することができます。記録データは保管して管理することができるため、誰が・いつ・どの部屋に入退室したのかをさかのぼって確認することも可能です。施設への不正侵入や施設内でのトラブルが発生した場合には、保管しているデータから原因を探ることもできるでしょう。さらに入退室の記録を活用して勤怠管理システムとの連携や、施設の利用料金の請求も行うことができます。

入退室管理にかかる業務を効率化できる

オフィスやコワーキングスペースに受付業務を行う人を配置している施設もあるのではないでしょうか。利用者の本人確認や、入退室履歴の管理などの業務をミスなく正確に行うのはとても労力が必要です。入退室管理システムを導入し受付を無人化することで、ヒューマンエラーの防止や業務の効率化を図ることができるでしょう。

セキュリティ対策のコストを削減できる

従来のセキュリティ対策では警備員を配置するなどの方法が一般的ですが、それでは人件費にかかるコストが高くなりがちです。入退室管理システムは、さまざまな認証方法を用いて入退室の管理を行うことができるため、警備員を配置したセキュリティ対策よりも、低コストで高性能な対策ができます。

非対面で利用者の信頼獲得につながる

感染症対策としても、入退室管理システムの導入は有効です。受付などでの人と人の接触機会を減らせるため、その部屋や施設を利用する人に対しても、感染症対策をしっかりと行っていることのアピールができます。特に、無人運営のコワーキングスペースやレンタルスペースなどでは、感染対策が重要視される現代の大きなアピールポイントになるでしょう。

認証の種類とそれぞれの特徴

入退室管理の認証方法にはさまざまな種類があります。ここでは、代表的な認証方法とそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。

暗証番号・テンキー認証

暗証番号・テンキー認証とは、数字や文字をキーパッドなどに入力することでドアを解錠する方法です。ドア部分に専用のツールを設置するだけでよいため、初期費用を抑えて導入することができます。また、鍵やカードの紛失により再発行する必要がないのもメリットと言えます。一方で、個人ごとに入退室履歴の記録はできないため、勤怠管理や利用料金の請求などのシステムと連携したい場合は使用できません。また、暗証番号を盗み見されてしまうリスクもあるため、定期的な番号変更などの工夫が必要でしょう。

ICカード

ICチップを埋め込んだ専用カードを認証ツールにかざすことで、入退室できる方法です。誰が・いつ・どの部屋に入退室したのかを正確に把握することができるため、入退室をした個人ごとの管理もできます。また、認証危機への接触も避けられるため、感染症リスクの軽減にも有効です。しかし、ICカードを紛失すると利用者が入室できなくなってしまうため、カードの管理には注意を促すことが必要です。

スマートフォン認証

スマートフォン(スマホ)を使用した入退室方法もあります。スマートフォンにダウンロードした専用アプリを操作し、ドアの解錠を行います。普段使い慣れているスマートフォンで入退室ができるため、利用者の利便性が高いことがメリットです。また、カードの配布や回収などの管理がないため、カードの紛失リスクがなく管理業務の効率化が可能です。

生体認証

生体認証(バイオメトリクス認証)とは、人の指紋や顔などの情報を登録データと照合して入退室を行う方法です。生体認証には、指紋認証や静脈認証、虹彩認証、顔認証などがあり、現在では銀行ATMなどの重要な個人情報を取り扱う機器にも採用されています。セキュリティレベルが高く偽造されるリスクも低いため、不正入室をより確実に防ぐことが可能ですが、導入時の初期費用が高額なってしまうデメリットがあります。また、個人の体に関する情報を使用するため、データ管理に十分配慮する必要があるでしょう。

入退室管理システム導入時の比較ポイント

入退室管理システムを選ぶ際には、どのような点に注目すればよいのでしょうか。選び方のポイントを解説します。

他のツールやシステムと連携できるか

入退室管理システムは、他のツールやシステムと連携することで業務をより効率化することができます。オフィスでは、勤怠管理システムと連携して従業員の勤務時間を正確に打刻することが可能です。また、監視カメラなどのセキュリティシステムや設備管理システムと連携してセキュリティレベルを上げることもできるでしょう。

コワーキングスペースなどの施設では、課金や請求システムと連携することで利用者の入退室状況から料金の請求業務を行うこともできるため、他のツールやシステムとの連携が可能な入退室管理システムの導入がおすすめです。

導入したい入退室管理システムにはどのような機能が備わっているのかを理解し、対象となる施設に合わせて検討することが重要です。

セキュリティレベルをチェックする

一般的なオフィスでは、部屋によって取り扱う機密情報が異なる場合もあります。このため、機密情報を多く取り扱う部屋にはセキュリティレベルの高い認証方法を採用するなど、部屋ごとに認証方法を変更できるシステムを導入する工夫を行うことも必要です。

また、コワーキングスペースなどの施設は人の出入りが多いため、セキュリティレベルの高い認証方法では入退室に時間がかかってしまうこともあるでしょう。このため、施設が求めるセキュリティレベルはどの程度なのかを確認し、それに合わせて必要な認証方法を使えるシステムを導入することが重要です。

利用者にメリットがあるか

企業や運営側のメリットも大切ですが、入退室管理システムの導入によって従業員や利用者にどのようなメリットがあるのかを考えることも重要です。利用者が安心して使えるよう、より感染症対策に配慮した認証方法を選ぶ、誰にでもわかりやすく使いやすいシステムを選ぶなども検討しましょう。

コワーキングスペースの入退室管理に最適な「むじんLOCK」

むじんLOCK」は、コワーキングスペースなど、施設の無人運営に特化したシステムです。例えば、入退室管理から利用者への利用料金請求までを無人で管理できたり、入退室履歴や予約履歴に基づく請求を自動で行ったりすることも可能。利用者の利用や請求、入金にかかわるすべての情報を一元管理することができます。

「むじんLOCK」の導入事例

東京都渋谷区のブックオフコーポレーション株式会社が運営する「シェアオフィスABBOCC表参道」では、「むじんLOCK」を導入し、シェアオフィスの無人運営を行っています。利用者への料金請求は、入退室の履歴に基づき自動請求ができるため、施設運営の効率化にもつなげているそうです。また、オペレーションをシンプルにするため、認証方法にはICカードを採用。利用者にとっても利便性のよい空間を提供しています。導入後には、「むじんLOCK」に領収書発行機能を追加し、オープン当初想定していかなった利用者からのニーズにも対応しています。

運営施設に合った入退室管理システムの導入を検討しよう

入退室管理システムは、機密情報を安全に管理でき、業務の効率化ができるシステムです。他のツールやシステムと連携できる入退室管理システムを導入することで、さらなる業務の効率化や利用者の利便性の向上につながります。オフィスや施設がどういった目的で入退室管理システムを導入したいのかを明確にし、施設に合ったシステムの導入を検討しましょう。