コラム

店舗DXの事例5選。メリットや取り組むときのポイントを解説

店舗DXの事例5選

最近よく耳にする「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。最新のデジタルテクノロジーを活用し、新たな製品・サービスの創出や業務プロセスの再構築を目指すDXですが、近年では店舗型ビジネスの世界でも注目を集めています。本記事では、店舗DXのメリットや導入のポイント、実際の事例を紹介します。

店舗DXとは

店舗DXとは、店舗型のビジネスにおけるデジタルトランスフォーメーション。店舗運営に最新のデジタルテクノロジーを導入して、新しい顧客体験を生み出すことを意味しています。

「店舗DX」に注目が集まる理由

近年、テクノロジーの発展によりキャッシュレス決済の普及、またECサイトなどでの競争激化などから、新しい顧客体験を提供する店舗DXが注目されています。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、店舗における非接触のサービスが求められてることも店舗DXの需要を急速に伸ばしている一因です。

RaaSとの違い

店舗DXは、小売業界で注目されているビジネスワード「RaaS(ラース)」と混同されることがありますが、この2つは概念が異なります。RaaSとは「Retail as a Service」の頭文字をとったもので、直訳すると「小売(Retail)のサービス化」という意味です。RaaSは、各小売企業がこれまでに獲得した膨大な顧客データや、テクノロジーを活用し、自社はもちろん他社に向けたBtoBサービスを展開するビジネルモデルです。一方で、店舗DXは、最新デジタルテクノロジーを導入し「新しい顧客体験」を生み出す、顧客向けの視点を重視しています。

店舗DXに取り組むメリット

店舗DXに取り組むメリットとしては、以下の4つが挙げられます。

メリット(1)サービス品質が向上する

ITツールなどを利用して単純作業を自動化・簡略化することで、業務効率化を実現し、その分の時間を、質の高いサービス提供に充てることができます。

メリット(2)オペレーションなどの業務効率化につながる

店舗DXによりこれまでの店舗運営に割いていた時間を短縮し、バックオフィス業務にかかる時間も大幅に減らすことができます。具体例としてはITツール導入による勤怠管理の一元管理、キャッシュレス決済導入による精算業務効率化などが挙げられます。

メリット(3)人材コストが削減できる

店舗ビジネスにおいて、これまで最もコストをかけていたものの1つが人件費です。DXにより、店舗運用の省力化や無人化を可能とし、結果として人材コスト削減につながります。

メリット(4)顧客満足度が向上する

デジタル技術を活用することで、利用者のニーズにあったサービスを提供し、顧客満足度を向上させることができます。満足度を向上させることが顧客離れを防ぎ、新規顧客の獲得も期待できます。

【店舗DXの事例】~店舗運用のデジタル化事例~

ここからは実際に店舗DXを推進し店舗運用している事例を紹介します。

【有限会社Y2company】シェアオフィスの入退室・予約管理をDX化

有限会社Y2companyは、東京代々木でシェアオフィス「YCS Remote」とコワーキングスペース「Y-valley Coworking Space」を運営しています。同建物内にある施設の内、シェアオフィス部分のみを2021年8月から店舗DX化し無人運営に。シェアオフィスの入り口部分に入退室管理から請求まで無人で一括管理できるスマートロック連携システム「むじんLOCK」を導入しています。有人施設と無人スペースを組み合わせ運営することで、利用者のニーズにあわせた24時間365日夜間も含めたサービスを展開しています。

【イオンリテール株式会社】“レジに並ばない”お買物スタイルを実現

イオンリテール株式会社は、店舗DXを推進し2020年3月よりレジに並ばない新しいお買い物スタイル「どこでもレジ レジゴー」を導入しました。「どこでもレジ レジゴー」は、店舗で貸し出す専用のスマートフォンを使い、買い物客自身が商品のバーコードをスキャンして読み取り、そのまま専用レジで会計できるサービスです。利用者は、レジに並ぶ必要がなくなり、レジの待ち時間を短縮できるため、顧客満足度の向上が期待できます。

【株式会社ノジマ】電子棚札を全店舗へ導入

株式会社ノジマは、2019年10月よりパナソニックの「電子棚札システム」を全店舗で導入しました。電子棚札システムは、価格の一括更新やセール・商品情報の提示などにより、店舗の業務効率化を実現しています。ノジマでは店舗DXを推進することで、これまで店舗スタッフが手で行っていた膨大な作業時間を短縮。この時間を店頭での接客対応に充て、顧客満足度の向上を目指しているそうです。

【日本調剤株式会社】本部と店舗間のコミュニケーションを改革

全国47都道府県で調剤薬局を展開する日本調剤株式会社は、2021年10月より多店舗オペレーション改革を支援するクラウドサービス「Shopらん®(ショップラン)」を導入しています。DX戦略の一環として本部と店舗間コミュニケーション改革のため導入した「Shopらん®」は、視覚的にタスクを管理することを可能にしました。業務プロセスを効率化することで、薬局従業員はこれまで以上にきめ細やかな利用者対応に取り組んでいるようです。

【株式会社ファミリーマート】無人決済導入で店舗オペレーションを省力化

株式会社ファミリーマートと無人決済店舗の開発を進める株式会社TOUCH TO GOは、業務提携し、無人決済コンビニエンスストアを2021年3月にオープンしました。「ウォークスルーの次世代お買い物体験」をうたい、通常の有人レジ店舗に比べ、時間節約ニーズの高い朝や移動の合間などの短時間でも手軽に買い物をすることを可能に。利用者のニーズに対応し、利便性の向上を図っています。

店舗DXを行うときのポイント

上記に上げた実例のように、店舗DXはさまざまな分野で波及し、今後もますます加速していくと予想されます。ここからは、店舗DXを行うときのポイントについて解説していきます。

デジタル化が必要な業務を洗い出す

店舗DXを進めるために、まずはデジタル化が必要な業務、デジタル化が必須な点を洗い出します。経営方針や、現状の課題、目指す店舗DXコンセプトと照らし合わせ、どのような点をデジタルに置き換えれば業務効率化やサービスの向上ができるのか、検討するとよいでしょう。

導入するデジタルツールを選定し、活用方法を明確化する

デジタル化する業務を決めたら導入するツールを選定します。最近ではさまざまな無人化ツールが開発・販売されています。店舗に必要なシステムと活用方法をあらかじめ明確にして選びましょう。

費用対効果を算出する

高価なデジタルツールを導入しても、当初想定した費用対効果が得られなければ意味がありません。事前に費用対効果を見積もり、規模に見合うツールを導入し店舗DX化を図ると無理なくDXを進めることができます。

店舗DXに取り組むときの注意点

店舗DXに取り組むときの注意点として、初期費用・運用費用がかかること、従業員の理解が必要なことなどがあげられます。店舗DXを進めるには、長期的な視点で必要なデジタルツールを導入していく必要があり、そのためには初期費用・運用費用がかかります。また、店舗DXの導入により、これまで従業員が行ってきたオペレーションを変更する場面も出てくるでしょう。デジタルに苦手意識をもつ従業員から反対されるというケースも多いため、DX実現後の効果について丁寧に説明して理解してもらう必要があります。

「むじんLOCK」なら店舗運用のDX化が実現可能

店舗DX化のツールとして、無人でのドア施錠・解錠、入退室履歴の管理、課金・自動請求するスマートロック連携システム「むじんLOCK」を活用することができます。今あるドアに設置することができ、店舗利用者の入退室管理から利用料金請求まで、無人での一括管理が可能です。例えばコワーキングスペースやシェアオフィス、スポーツジムなど幅広い施設で活用され、スペースの管理・収益化を手軽に実現できるサービスとして利用されています。また、スマートフォン一台で、店舗の予約から利用、支払までを完結することが可能なため、利用者にとっても利便性が高い店舗DX化ツールです。

今回の記事を参考に、店舗DXを検討してみてはいかがでしょうか。